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今朝の朝日新聞にこんな広告に目がとまった。

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作家×朝日新聞のコラボレーション

インターネットのニュースメディアが主流な昨今、こんな広告は紙の媒体だからこそ訴える力があると思う。ネットで同じようの広告を見てもあまり心には届かない気がする。



音楽を聴く楽しみ方はさまざまだ。ブラック・ビニール時代には
レコード盤に針を置いて、スピーカーから空気をつたって届く
「音」を聴いた。自分とスピーカーとの間にわずかな空間に広
がる「音」。やがてその音は時空を超え、場所を超え、僕を未知
への旅へといざなってくれた。

僕の気に入りのレコードレーベルは、50年代の「ブルーノート・
レコード」、60年代の「スタックス/ヴォルト・レコード」、
70年代の「アサイラム・レコード」。良いレコード・レーベル
には良いアーティストが属し、良いサウンドを奏でていた。

良いサウンドには主張がある。そこにはただの「音」を超えた、
強いメッセージがある。良いサウンドには「感情」がある。
ひとびとの心の琴線をふるわす魔法がある。そんな良いサウン
ドを求めて、あししげくレコードショップに通った。

レコーディング・アーティストとして、レコード制作にあた
るようになって、気を使ったのは、やはり「音」のことだった。
自分がはじめてレコーディングをした80年代前半、レコード
といえば、アナログ、ブラック・ビニールの時代だった。
それまで、日本のポップス・ロックのレコード・サウンドは、
欧米のものと比べて音のダイナミズムに欠けていた。その
理由を友人のレコーディング・エンジニアに尋ねたら、
それは、カッティングの技術の違いだということがわかった。
カッティングとは、アナログレコードにおいてラッカー盤に
溝を刻む作業のことだ。切り込む溝の深さによって、音の
ダイナミズムが違ってくる。そこで、自分のレコードでは、
海外でカッティングしようと思った。

1983年、僕のレコード制作環境を東京からニューヨークへ
移した。そこでレコード制作にかかわるいっさいを体験した。
カッティングは数多くヒットレコードを手がけていたマスター
ディスク社のボブ・ウドウィック氏に依頼した。

その後、CDの時代になって、カッティングは「マスタリ
ング」という名前で呼ばれるようになった。今はデジタ
ルに時代であり、ストリーミングやダウンロード配信が
主流になりつつある。音楽というものは、その時代に生
きる人々と密接に結びついている。今後、メディアが変
わっても、どうにか工夫して、ファンに、また音楽リス
ナーに、その都度の最良の音を提供をしたいと思う。
(佐野元春)



とても共感できてよい広告だったので、テキストに残すことにしました。


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by crab2003 | 2009-12-24 23:20 | 音楽のこと | Comments(2)
Commented by daisymoon at 2009-12-25 00:01
なになにこれ〜。知らなかった。紹介してくれてありがとう☆
Commented by crab2003 at 2009-12-26 10:33
★daisymoonさん、
本来はそちらのブログに出るべきネタですが^^
元春の話にはファンだからというわけでなく、共感できる部分が多いです。
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